グッド・ハンティング

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シーズン1 第10話 『グッド・ハンティング』 原題 “GOOD HUNTING”

introduction イントロ

 東洋風の建物の片隅、子供の頃というモノローグ。妖怪退治を生業とする男とその助手を務める息子が潜んでいた。取り憑かれた男の声に誘われ現れる化け狐を親子は待ち伏せしていたのだった。息子が陰から出て様子を見ているときれいな女性が現れ目を奪われる。父親は取り憑かれるぞと息子を陰へ引っ張り刀を手に取る。その女性こそ化け狐だったのだ。父が背後から斬りかかるが、かわされる。攻防が続き、化け狐優勢で刀を手から離してしまった。刀を取りに行った父親は小便を掛けろと息子に命令する。小便の入った瓶(かめ)を持ったが息子は化け狐に魅入られてしまう。化け狐が変身を解きつつ建物に入るところを父親は息子から瓶を奪い小便を化け狐に浴びせる。化け狐は正体を現すことを阻止され、半人半獣の姿で逃げていく。息子は謝るが、父親は刀を手に化け狐を追いかける。化け狐は屋根を伝って逃げていた。父親が家の壁を登ると化け狐の前に出る。刀を振る。落とした手首を確認、血の跡から山頂の廃墟が化け狐の根城とつきとめる。

 妖怪狩りの親子は廃墟を探索する。父親の指示で息子は裏からまわる。建物に入る息子は何か気配を感じる。建物に入ろうとするが、気配のするがれきの方へ向かう。がれきのすきまが入り口のようになっていた。息子はそこに手を突っ込む。子狐が出てきて人間の女性の姿になり、何故私たちを狩るのかと責める。母狐が男をたぶらかすからだと答えると、子狐は男の方が求めてきてそれに応えるだけだと反論する。その時、「ヤン!」と、子狐を呼ぶ声がする。化け狐はヤンに人間と話すことをやめさせようと叫ぶ。そこに父親が斬りかかる。はねられた首が息子の方に落ちてくる。話をしていた子狐の母を父が殺してしまった状況に息子は呆然とする。父親は子狐を見なかったかと尋ねる。見てないと答えると父親は首を手に報酬を受け取りに街へ戻ろうとする。息子は父親の後につき、見逃された子狐は逃げていった。

 ここから先は作品を視聴した人向けになっております。未見の方、ネタバレをしたくない方は引き返すことをお勧めします。観た後、戻って来てくれれば嬉しいです。

High Light ハイライト ※ネタバレあり

 5年後、青年になった息子リアンは父親の墓参りをしていた。近代化の象徴、鉄道がそばを走る。父親が亡くなったことは残念だが、生きていても父は近代化の波についていけないだろうともリアンは思っていた。元はお寺と思われる廃墟に足を踏み入れるとヤンがいた。リアンはヤンに食事を持ってきていた。自然の摂理と思ったのだろうか、あの一件でヤンはリアンを恨んでいなかった。ヤンは最近狩りが出来ていないと言う。近代化によって妖怪たちの魔力が失われつつあるようだ。リアンは街に出ることを告げ、君はどうするとヤンに問いかける。なんとか生き延びるとヤンは答える。

 支配階級のイギリス人が山頂に住み、その下に中国人が住む香港にリアンは来ていた。5年のうちに、リアンは機械の仕組みが手に取るように分かる熟練工になっていた。ある夜、工場からの帰り道、リアンは高圧的なイギリス人に絡まれてる女性を助け出す。女性はヤンであり、近況を話し合う。ヤンは魔力はすっかり失い、リアンが母狐を批判したように男をたぶらかして生活してると。リアンは腕の良い技師にはなったが幸せかはわからない。ヤンは魔力を取り戻して狩りをして、山頂の支配者を見返したいと言った。

 街は近代化、発展していき、それに携わるリアンもロボットのような動物を遊びで造ったりしていた。機械技術を魔法のようなものと思い始め、自分の仕事を好きになっていった。そんなある夜、寝ていたリアンは気配を感じ、刀を手に気配の方へ出向く。そこにいたのは助けを求めるヤンだった。ヤンを落ち着かせるようにお茶を淹れ、差し出す。受け取ったヤンはそのままテーブルにお茶を置く。見てと言うと、コートをたくし上げる。そこには機械の体が!

 ヤンの顧客には総督がいた。総督をお金は払うが体を求めない紳士的な客だと思っていた。ある夜、薬を盛られ、眠らされて機械の体に手術されてしまった。総督は機械に異常な性的興奮をする人間でその欲望を満たしたかったのだ!ヤンは総督を拒み、殺して逃げてきたのだった。リアンは元通りにすると言ったが、ヤンはそれは無理だろうと答え、ただ復讐の狩りがしたいと助けを求める。リアンによるヤンの体のチューンナップが始まる。

 チューンナップは終わり、ここを発つ時が来た。ヤンは燃料を補給すると、狐の姿に変形する。リアンが良い狩りをと見送ると、ヤンは窓から屋根伝いに去っていった。

 夜の路地、中国人女性が複数のイギリス人男に追い詰められていた。服をはぎ取るとそこに上空からの影が横切る。男たちが見上げるとそこには機械の狐の姿をしたヤンが。ヤンは男たちに襲いかかる。

impression 感想

 物語について語る前に気になったのが、小便について。初見の時は良く聞こえず、塩かなと思ってた。日本では清める時に使うし、じゃなくても神聖な水かなとか。記事を書く時、改めて観てみて小便だったとは。小便に魔除けのような効果があるって香港や中国本土では馴染みある設定なのか?ちょっと、僕には違和感。

 初見時、絵的に映える人間から狐へのトランスフォームを描きたかったのかな?と思いました。唐突なヤンの機械化も機械フェチの総督の登場もトランスフォームを描きたいための製作者の意図のように感じてしまった。記事のために改めて観た時も、ヤンはもう人並み以上の力を持っているのだから、狐への変形は要らないでしょう。それに性欲処理用のヤンに反撃する力を与える総督も変だ。余談ですが、組織からもらった力で組織に反逆すると言うのは石ノ森章太郎さんの『仮面ライダー』、『サイボーグ009』を思い起こさせた。整合性に問題有りと思っていたのですが、原作のある話でした。しかも、ヴィジュアルに関係ない小説が原作でした。中国SF作家のケン・リュウ氏による短編『良い狩りを』です。日本でも”ケン・リュウ短編傑作集2『もののあわれ』”(早川書房)に収録されています。アニメ化に際して、省略した部分がかなりあるのかも。原作を読むと整合性の問題は解決するのかなぁ。

 問題点を語ってきましたが、スチームパンクと超自然的な力が混在する設定は面白いと思いました。スチームパンクについては街並みといったヴィジュアルにも現れており、そういう視点ではフィルム・ノワールともクロスオーヴァーしていて良い映像でした。

 物語について言うと、リアンが最後に施したヤンのチューンナップは贖罪では?。ヤンは咎めないけど、ヤンの母のことはリアンにずっと引っ掛かっていたと思う。罪からの解放とまでは言えないが、昔のように狩りをしたいというヤンの願いを叶えたことは一つの区切りにはなったでしょう。前述した整合性の説得力はないけど、リアンの動機付け、心情という点では充分。あの後、ふたりは違う世界で生き、多分もう二度と会わない。哀愁や悲哀を感じさせ、安易に恋愛にいかないのも良かった。

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