わるい夢

あらすじ

 ヒルダたちが見慣れない女の子の後をつけると突然消えたかのように見失う。不自然な状況にデイビッドは怖がる。とても怖がるのはヒルダが怖い話をする所為で最近悪夢を見るからだと言う。今日はネズミの王様の夢でその話を聞かされたからだと例を挙げる。ヒルダは克服するためにネズミの王様に会いに行こうと言い出す。

STORY

 ヒルダ、フリーダ、デイビッドの3人は使われてないトンネルの前にいた。暗い不気味なトンネルにデイビッドが怖がっているとヒルダはトンネルを探検すればスカウトのバッジがもらえるかもと言う。バッジの話にフリーダも乗っかる。3人は懐中電灯、ヘッドライトで辺りを照らしながら、中に進む。突然、デイビッドの後方からフリーダの悲鳴がすると懐中電灯を残してフリーダは消える。今度は前からヒルダの悲鳴が聞こえるとヒルダが何かに引き込まれているのを目撃する。一人になり、怖くなったデイビッドは入口へ走る。転んだ拍子にヘッドライトが壊れ照明が付かなくなる。ヘッドライトを叩き直った瞬間、照明が大量のネズミの大群を照らす。ネズミの大群がデイビッドを襲う。悲鳴をあげるとそこはベッドの上だった。今までのことは夢だったのだ。下の階から友達が来たことを知らせるママの声がする。

 家の前にはヒルダ、フリーダがいて、デイビッドが加わり今日の遊びを相談する。フリーダは自転車を提案するがヒルダが却下。通りを走るだけなんて退屈、世界は謎だらけなのにと主張。謎の例として、向かいの通りにいた女の子を指さす。あの子は何かあるとヒルダは言うが、ふたりはヒルダが人間に馴染みのない育ちだからそう見えるだけなどと返すと女の子は歩き始める。ヒルダが先導で女の子の後をつけるが路地に入っただけで女の子の姿は消え、見失う。不自然な消え方にデイビットが怖がるが、それは最近怖い夢ばかり見てる所為だと言う。そして、それはヒルダが不思議な体験させたり、怖い話をするからだと。今日の夢を例にあげると、ネズミの王様の話をしたからだと言うと、ヒルダは解決策を出す。それはネズミの王様に会いに行くことだった。

 3人は海に近い使われてないトンネルに着く。ネズミの王様の目撃情報からこの辺が会える可能性が高いと推し量る。デイビッドは夢と同じ状況に怖気づくもふたりとトンネルに入る。暫く進むと後ろから大水が!3人は貯水槽のようなところへ流される。貯水槽の水が引き、一息ついてるとデイビッドがヒルダの後方におののく。ネズミの王様だ!ネズミの王様は秘密の交換という取引をヒルダたちに持ち掛ける。これが彼らの礼儀、習慣だと察したヒルダはある秘密を打ち明ける。代わりにネズミの王様はデイビッドの怖い夢は女の子の所為だと教えてくれる。あの消えた女の子の所為だったのだ。

 夜、デイビッドの部屋を建物の上からヒルダが見張る。そばにトゥイッグ、下には無線で連絡できるフリーダが控えていた。デイビッドが悪夢から覚めたと思われる起き方をする。それを見たヒルダはフリーダと連絡をとる。フリーダは女の子を発見、ヒルダも向かう。後をつけるが昼と同じように見失う。だが、トゥイッグが唸る。唸っている方向に女の子の影が。影の方向へヒルダは追いかける。フリーダは何か思いつき違う方向へ走る。ヒルダは壁際に追い詰めたように思えたが、女の子は霊体化(?)!壁に付いた扉の鍵穴から逃げていく。扉は開かない。その時、デイビッドが上から女の子を発見する。連絡を受けたヒルダはその場所へ向かう。女の子を見つけると自転車に乗ったフリーダが現れる。一緒に乗るように言うフリーダに遠慮気味なヒルダ。見失うことを危惧するフリーダに促されヒルダも一緒に乗る。においで追いかけるトゥイッグの先導で自転車を走らせる。壁に囲まれた森の入り口で女の子を発見する。

 自転車を降り向かうと、また、女の子が霊体化して消える。森にいると思い壁を登り森に入るヒルダとフリーダ。暫く歩くと女の子と仲間が焚火を囲んでいるのが見えた。デイビッドに見せた夢をネタに騒いでいたのだった。ヒルダが出て物申そうと一言呼びかけると、女の子、その仲間、焚火も霊体化して消える。フリーダが不安げに不気味と口にするとヒルダは私は平気と強がる。

 明くる日、3人は女の子たちのことを調べるため、図書館に来ていた。昨日の森での出来事を話していると、司書のお姉さんが”マーラ物語”という本を勧めてくれる。中を開けるとホールダーの森に住む悪夢の精霊”マーラ”のことが書かれていた。司書が妙に察しの良いことが気になったが、読み進める。怖い夢を見てるだけではなく悪い精霊が部屋に来ていることにデイビッドは気落ちするが、憑りつかれない方法も書いてあった。革のベルトでベッドに自分を縛り付けるというものだったが、デイビッドは拒否する。ヒルダも同調し、マーラと話し合いで解決と立ち上がる。

 夕方、デイビッドの家に遊びに来ていたヒルダが帰る。玄関で見送るデイビッドはヒルダが帰ったら、すぐ寝る事を大声で話していた。帽子を目深に被ったデイビッドは自室に向かう。自室に入ると帽子とかつらを取る。デイビッドの部屋に行った方がヒルダだったのだ。ヒルダの家に行ったデイビッドはかつらとヒルダのベレー帽を被り、マフラーを鼻まで上げてママの仕事場の前を静かに通る。ママに呼び止められたが、付いてた虫を取ってくれただけだった。

 夜、ヒルダはひも状にした布をロープにして窓からデイビッドの部屋にフリーダを招き入れ、早速、作戦を打ち合わせる。デビッドに成りすましたヒルダがマーラをおびき寄せる。フリーダが念のためベルトで縛った状態で机の下に隠れる。マーラは鍵穴から入ってくるので、そこをアルファーが見張る。マーラからアルファーの姿は見えないので、入ってきたら気づかれずにフリーダを起こせる。デイビッド(ヒルダ)に気が行ってるマーラをフリーダが革のベルトで捕まえる。作戦通りいったが、最後フリーダがかわされる。見切ったマーラはフリーダに向かい、勝ち誇る。その隙に、寝ていたヒルダがベルトで捕まえる。

 ヒルダは捕まえたマーラに何故デイビッドを狙うのか、問い質す。デイビッドが怖がりだからと返す。デイビッドの怖がりを直したいヒルダは怖がりの子しか怖がらせないと挑発する。マーラは怖がりではないヒルダに憑りつくことを提言する。デイビッドにもう憑りつかないことを懸けさせ、ヒルダがマーラの悪夢に挑む勝負が成立する。

 一方ヒルダの部屋では、デイビッドはいびきをかいて寝ていた。うるさいいびきにママが様子を見に来てバレてしまった。

 その頃、ヒルダはいつの間にか寝ていて、目が覚める。時間を見ると時計の針が激しく回りだし時計は溶ける。ここは夢の世界なのだ。デイビットの部屋なのに扉を開けるとママの仕事場に繋がっていた。ママがクモを家に入れたことを怒ると大量のクモが家に入ってくる。クモを怖がらないヒルダにマーラは悔しがると、今度は外で大きな音がする。外に出ると住んでいた谷の景色で巨人が立っていた。巨人は咆哮するとヒルダを掴み食べようとする。巨人は人を食べない、食べても意味がないとヒルダが言うと巨人はヒルダを投げる。マーラは怖がらないヒルダに苛立ちながらも熟考する。ウォッフに乗ったヒルダに自転車に乗ったフリーダ、デイビッドが呼びかける。ウォッフにフリーダたちの前に降ろされると、何故か怒気を帯びた口調で自転車に乗ることを強制される。フリーダたちの後を追うが上手く乗れない。フリーダたちは自転車に乗れないヒルダに呆れながら先に行く。転んだヒルダを不気味な自転車乗りが次から次に追い抜いていく。とうとう、フリーダたちはヒルダを諦めて行ってしまう。追いかけるヒルダを怪物化した道や車が襲う。乗ってた自転車と共に竜巻に巻き込まれる。

 デイビッドの部屋にママがデイビッド、デイビッドの両親と入ってくる。悪夢に苦しんでるヒルダを起こさないようにフリーダはママを制止する。自分のために苦しむヒルダを見て、自分が立ち向かうことを決意、デイビッドはヒルダを起こす。心配するママに何でもないという態度を示し、ママがここにいる理由を問う。部屋の前では勝ったマーラがほくそ笑んでいた。

 後日、ヒルダの家にフリーダ、デイビッドが訪ねてくる。ヒルダは2、3日家にいるように言われたことを話すとデイビッドの悪夢について訊く。あれから良い夢しか見てないとデイビットは答える。マーラのことを尋ねるといつの間にそばにいたマーラが悪夢を見たい人に見せても面白くないと答え、去ろうとする。ヒルダは呼び止め、何故自転車のことを知っていたか尋ねる。マーラは定期的にネズミの王様と情報交換していたのだった。自分も怖い目に遭った所為かフリーダ、デイビッドを怖がらせるようなことはしないと宣言する。怖がらせるヒルダも受け入れると言ってくれたふたりに安心したヒルダは自転車の乗り方を教えてもらうことをお願いする。

おわりに

 デイビッドが怖がりを克服する話と見せかけて、ヒルダが要らない拘りを捨てる話でした。冒険家に怖いものは無いという台詞もありましたが、そういう矜持や誇りは大事だけど弱い部分を自ら認め、友達を頼るのも悪くない。谷の生活では出来ない友達との協力、そんな大事さが表れた話でした。ヒルダの悪夢から察するに自転車に乗ること自体も怖いけど、乗れないことが知れてふたりから見放されることの方が怖いって感じもしました。だから、最後自転車の乗り方を教わろうとするというのは弱さを見せることの抵抗を捨てた、フリーダ、デイビッドへの信頼が篤くなったということで良かった。

 冒頭、ヒルダが自転車を否定するところから引っかかってた。ヒルダみたいな性格なら行動範囲が広がる自転車をつまんないなんておかしいと思ってたんだよね。個人的な事で言うと僕自身、スポーツサイクル乗りなので。

 そして、役柄は敵役(かたきやく)ですが今回のメインキャラ、マーラ。この名前、固有名詞ではなく種族名のようですが”あの女の子=マーラ”で続けていきます。最後、悪夢を見せなくなったのはヒルダの義侠心やデイビッドの勇気を見たからじゃないかな。自ら語った方の理由は見栄で、勝負するうちに単なる怖がらせる対象ではなく、ヒルダたちを認めたのではないかと。なんかツンデレ認定みたいになってしまいましたが、彼女の今後の登場はあるか?デイビッドがマーラの悪夢を克服する展開も見たかったけど。

 トゥイッグ、アルファーのヒルダ同居組の活躍の場があったのも良かった。

 図書館の司書のお姉さん、彼女のネットでの扱いを見ると、今回は顔見せ程度ですがこれからも出番はあるみたいですね。スカートでその作業は良いのか?

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  今回はファンブック的なものを2冊紹介。上はスパロウスカウトへの入門書の体裁をしたヒルダの世界、トロールバーグやその周辺のことが記述されている設定集。地図の見方や星からの現在地、方向の読み方といった実用的なものも載っているようです。ちなみにレベル1のバッジがもらえる程度の難易度らしい。下は不思議な生き物や精霊の図鑑。表紙を見ると今回の人食い巨人がいる。マーラの想像ではなく本当にいるのか?マーラの代わりなのか?

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