わし座領域のかなた

あらすじ

 舞台は宇宙。ある宇宙船がワープホールに入ろうとする。トム、スージー、レイの3人の乗組員はワープ中はコールドスリープに入り、到着を待つ。トムが目を覚ますと、何らかの原因により知らない場所に着いていた。戸惑うトムの前に昔の知り合いの女性グレタが現れる。

STORY

 宇宙船ブルーグース号はワープホールに入るため、他の船と共に列を作っていた。レイが二日酔いだと言うと、トムが、次に羽目をはずすのは地球に戻ってからだなと軽口を叩く。スージーが近道を見つけたと言うと、ボーナスがもらえるぞとトム。準備が整うと、ワープ中はコールドスリープに入る為、液体酸素で満たされるタンクと呼ばれるカプセルで乗組員3人は眠りに就く。 

 トムが目を覚ますと様子がおかしい、。システムエラーが出ており、どうも修理施設に格納されるらしい。スージーを起こし、今居る位置を探っていると、修理施設の人間らしい者が3人入ってくる。

 3人のうち、1人がマスクを外し、顔を見せると

 トムの知り合いグレタだった。トムが原因を訊く。航路設定にミスが有ったと言われ、航路担当のスージーは強く反論する。管制ステーションの不具合の可能性と今居る位置を聞いたスージーは「あり得ない」と激昂して、自分で調べようとするが足元と意識が覚束ない。タンク酔いだ。タンク酔いを落ち着かせるために、スージーをまたタンクで寝かせる。船の異常を調べてもらう事になり、トムは船を後にする。

 バーで休んでいるトムにグレタが寄り添いとなりに座る。かなりの距離を飛ばされてしまったトムは落ち着かない。そんなところで再会した事に運命を示唆するグレタ。一夜を共にした事のある2人は、旧交を深めていくうちに、体を重ねあう。

 ベッドで余韻に浸っていると、グレタは、地球に帰るのはほぼ不可能な距離まで飛ばされている事をトムに打ち明ける。感情的になり怒りを隠さないトム、対して、グレタはずっとここに居たせいか前向きだ。皆を起こしましょうと言う。

 起こしたスージーは夢と現実が混ざり、記憶が混乱しているようだった。だが、グレタを見た途端攻撃的になる。あれはグレタではないと強く主張し、グレタに襲いかかる。混乱からの凶行か?グレタから武器を奪い、首筋に傷をつける。すぐさま、グレタの麻酔銃がスージーを捕らえ、スージーは意識を失う。

 グレタとベッドで寛いでいた時、グレタの首に傷が全くない事にトムは気づいてしまう。スージーの言った通りグレタではなかったのだ。偽グレタは謝りつつ、この世界は偽物だが、地球には帰れない距離にいるのは本当だと語る。トムを傷つけない為に、この世界を見せていると。真実の世界を知りたいとトムは偽グレタに迫る。あなたの為なのと抵抗するが、観念した偽グレタは、この地に来た者を愛してるのは本当よと言うと、偽の世界を解除し、現実を見せる。

 トムはワープのコールドスリープから目覚め、タンクから起き上がる。グレタが入ってくる。グレタからワープに失敗した事を知らされ、船は修理施設に格納されている。

 夢か、幻か、仮想現実は再び始まる……。

おわりに

 まず、僕はSFに詳しくないので、その辺ご容赦ください。ワープホール、劇中ではサージポイント。コールドスリープ、冷凍はないけど、同じような仮死状態って事で。液体酸素、劇中何も説明はなし。J・キャメロン監督作『アビス』より引用しました。SF用語を一般化、場面を文章化、なかなか難しい。最も苦労したのがグレタの首に傷をつけたアレ。武器?工具?アレ何なんだろうな。今、スクショ撮ったら、マリア像?SF関係ないね。

 で、内容。初見ではクリーチャーのインパクトから、ショッキングな話に思ってしまうんだけど、かなり悲しい話ではないかと。交流したいと思い、自分の姿が地球人の感覚では醜いと分かれば、相手の想い人の姿を借りる。裏があれば卑怯ともとられかねないが、涙ながらにこの地に来た者を愛してると訴えていたのは、本物でしょう。本当の姿を見せれば、上手くいかない。現実を見せれば、希望をなくしてしまう。宇宙の辺境でもう帰ることの出来ない地球人に優しい嘘をつく。この解釈はロマンチック過ぎか。

 絵のレベルも高い。実写で良いんじゃね?なクオリティ。いかにもアニメなデザインで成功してるピクサーの例もあるので一概にはいえないが、実写に近づけるという方向ではかなり高クオリティ。宇宙船などのデザインも短編だけで終わるには勿体ない。クリーチャーのデザインはグロさで視聴者を乗せるような演出もあり否定的だったのですが、物語を追っていくとその醜さに意味があると納得。

 気軽に観ればホラー要素の強いSF、じっくり観れば悲しいストーリーにも見える。そんな作品です。

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